バリデーションとは、アルツハイマー型認知症および類似の認知症高齢者とコミュニケーションを行うための方法の一つです。

 アメリカのソーシャルワーカーであるナオミ・ファイルが、老人ホームで働くなかで従来の認知症ケアに満足できなくなり、高齢者が尊厳を回復し、引きこもりに陥らないように援助する方法として構築しました。混乱したお年寄りをよくしようというよりも、むしろ介護者自身が変わり、介護を受ける側の世界を理解し、再び心を通わせることを目指しています。認知症の高齢者のみならず、介護の専門職や介護を行う家族のためにも役立つ方法として世界で高く評価され、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの30,000以上の高齢者施設で採用されてきました。

 日本では2003年にアジアで初めてバリデーショントレーニング協会(Validation Training Institute 本部:アメリカ、以下VTIとする)が正式に認可するトレーニング過程「バリデーション・ワーカーコース」が、ビッキー・デクラーク・ルビンを講師として開講されました。その後、より上級のコース実施を経て、2008年にはバリデーションを教えることのできる資格をもつ日本人の「バリデーション・ティーチャー」が誕生しました。以来、日本人ティーチャーがワーカーコースの講師を務め、多くの優れたバリデーション・ワーカーを輩出しています。

                  
ナオミ・ファル                     ビッキー・デクラーク・ルビン
バリデーション創始者           バリデーショントレーニング協会代表